弘前駅で「ツガルツナガルこぎん刺し展」開催!

 

皆さま、お久しぶりです。津軽もだんだん暑くなってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか? 本日は、編集部の石田も携わっているイベントのお知らせをさせていただきます。こぎんの歴史についてのお話も少し。

 

 

来たる6月24日(土)、25日(日)の2日間、弘前駅2Fの「津軽ラウンジ」にて、「ツガルツナガルこぎん刺し展」が開催されます。

 

 

JRの「津軽つながるプロジェクト」さん、駅ビル「アプリーズ」さんの協力のもと、三つ豆・工藤夕子さんが主催するイベントで、こぎん作家のmadeniさん、and ki.さんの作品、津軽工房社さんの布や糸、キット等を展示・販売いたします。

 

三つ豆さんのブローチ
三つ豆さんのブローチ
madeniさんのスタイ
madeniさんのスタイ
and ki.さんのミニほうき
and ki.さんのミニほうき
津軽工房社さんの布・糸の一部
津軽工房社さんの布・糸の一部

 

madeniさんによるワークショップも開催! こぎんタグ、パッチンこぎんホルダーを制作することができます。当日、随時受付となりますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ。

 

パッチンこぎんホルダー
パッチンこぎんホルダー

 

私が運営する「ゆめみるこぎん館」の古作こぎんも展示させていただく他、小誌『そらとぶこぎん』3〜7号(津軽書房)も販売いたします。バックナンバーをそろえたい方、最新号(7号)がほしい方はこの機会にぜひ!

 

古作こぎん(ゆめみるこぎん館蔵)
古作こぎん(ゆめみるこぎん館蔵)
『そらとぶこぎん』3〜7号(津軽書房発行)
『そらとぶこぎん』3〜7号(津軽書房発行)

 

 

こちらのイベント、場所が弘前駅ということで、鉄道とこぎんの歴史について少し振り返ってみたいと思います。

 

 

横島直道著『津軽こぎん』(復刻版、昭和49年、NHK出版)によると、明治に入って木綿の使用が解禁になり、綿糸が豊富に手に入るようになると、こぎん刺しは急速に発展しました。

 

 

当時のこぎんは着るものであり、労働着はもちろん、普段着や晴れ着としても用いられました。明治20年頃には、手の込んだ立派なこぎんが刺されるようになったといいます。

 

 

そんななか、明治24(1891)年、上野ー青森間に鉄道が開通します。明治27(1894)年には弘前駅が開業し、青森ー弘前間が開通。約130年前のことです。

 

 

「米穀、縄、むしろの輸送、出稼人や旅客、物資の輸送等で津軽地方は潤うようになった」と横島さん(『津軽こぎん』より)。農村でも少しずつ、温かく丈夫な木綿物が手に入るようになり、娘たちもカスリや手織りを着るようになったそうです。

 

 

こうしてこぎん刺しは、明治後期に姿を消します。大正時代にはほとんど刺す人がいなくなったと言われていますが、大正後期から昭和にかけて復興。

 

 

『そらとぶこぎん』創刊号で特集した高橋寛子さん、第3号で特集した工藤得子さん、第5号で特集した前田セツさんは、昭和の時代にこぎんを再興した方々です。得子さんやセツさんは、東京でも展示会や教室を開催し、こぎんが全国へ広まることとなりました。

 

 

やがて県外から津軽へ、こぎんを訪ねる人も現れ、今ではたくさんの方が津軽に足を運んでくださっていますね。明治時代まで、津軽から出ることがなかったであろうこぎんは、交通網や通信技術の発達とともに、全国へ、そして海外にまで広まっています。

 

 

それはやはり、大正・昭和・平成と、再興した先人たちのご尽力があってこそと思います。

 

 

こうしたこぎんの歴史に思いをはせつつ、地域と地域、人と人とをつなぐ”駅”という場所で、こぎんでつながることができれば嬉しく思います。

 

 

24日、25日と、弘前駅でお待ちしております!

 

 

へば、まだねー*

石田