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鎌田久子さんが12年ぶり個展、銀座のギャラリーで40点以上を展示(2/12まで)

皆さま、こんにちは。気の早い梅がちらほらほころび始めている東京から、編集部・小畑が春に向けて前向きな気持ちにさせてくれるこぎん展の話題をお伝えします。

 

首都圏で長く活動されているこぎん刺し作家 鎌田久子さん(青森市出身、東京都在住)の12年ぶりとなる個展「津軽こぎん刺し展」が2月7日(火)から12日(日)まで、東京都の銀座大黒屋ギャラリーで始まりました。会場に伺うと、数々のタペストリーの存在感に圧倒されつつ、鮮やかにして細やかな色彩の世界に魅了され、見入ってしまいました。

 

こぎん刺しグループ「藍と白の会」会長として指導・活動されるほか、首都圏にある14の教室・カルチャーセンターで後進の指導にあたっている鎌田さん。オリジナル作品を作り始めた30年ほど前から現在までに制作したタペストリーや額装した作品、衣類など40点以上が展示されています。

 

著書も多数出版しているだけに、生徒さんたちも作品の存在は分かっているものの、「作品の実物を見たいです!」という要望が強かったことから、個展開催を決めたそうです。「心象風景だから、見た方がそれぞれの思いで見ていただければ」と、あえてタイトルと製作時期は記していないので、色遣いや模様の展開、デザインなどから、作品の新旧を想像するのも楽しいものです。

 

明るい色合いのグラデーション遣い、直線的な表現の作品が並ぶ中、ひときわ目を引くのが会場奥に展示されている最新作です。2枚ひと組の作品は中央に幅広いゆったりとした曲線が流れ、その両脇は漆黒の闇の“粒子”を示すかのように黒っぽい色の細かいモドコで埋め尽くされています。

 

 

 

 

「地球のうねりのようなものを表現したかったの。最近は地球が壊れそうなほど、いろいろなことが起きているでしょ」

 

近年の世界情勢や想像を超える自然災害などから感じたことを表現した作品は重量感があり、うごめき続ける社会に対する言葉にならない声が込められているようにも思えました。

 

 

 

伝統模様だけを使うことにこだわっている鎌田さんの作品は、「直線」をさまざまな角度で使い分けた小品があったり、品が良く仕立ても美しいブラウスや羽織ものがあったりと、伝統模様で表現できることの幅の広さも示しています。DMにはこっそり「私は80の坂を越えて……」と添えられていましたが、ますます高まる「作らなければ、伝えなければ」という強い意志と創作意欲を感じさせる作品の数々です。鎌田さんの30年に及ぶ「足跡」を一挙に鑑賞できる、またとない機会。ぜひ、足を運んでみてください。

 

 

 

 

☆鎌田久子「津軽こぎん刺し展」☆

会期:2023年2月7日(火)〜12日(日)

時間:11:00〜16:00(最終日は15:00まで)

場所:銀座・大黒屋ギャラリー6階  

   http://www.ginza-daikokuya.com/gallery.html

   東京都中央区銀座5-7-6

   (都営地下鉄銀座線 銀座駅A2番出口・有楽町線 銀座1丁目駅8番出口)

料金:入場無料