この日のWSは経験者が対象で、陽子さんいわく「薔薇のように見える」模様で作るタペストリーが教材として用意されました。この模様は、陽子さんが師事した故高橋寛子さんが遺したもので、『津軽こぎん刺し図案集~高橋寛子 天からのおくりもの』(佐藤陽子著)の36ページに掲載されています。
なかなか根気のいるボリュームですが、簡単に完成しない分、刺し終わったときの達成感や嬉しさも大きいはず。
弘前市の手芸店つきやの麻布「ファンシーヘッシャン」に、陽子さんオリジナルの12本合わせの太めの綿糸を使います。色は自分で選べるのがうれしい。作品づくりは色選びから。たくさんの色を前に、迷う人が続出!
陽子さんのWSが人気を集める理由は、刺すための基本のテクニックを丁寧に教えてくれる点にあります。
この日、私のメモ帳に書き込まれたテクニックはというと…。
・刺し始めは糸の長さを短めに。(はじめは間違えやすいので)
・糸こきは、布を左右交互に斜めに動かす。(横方向に引っ張るだけだと、布地の縮みが解消されにくい)
・1目が布に沈み込むのは、糸こきが足りない可能性がある。
・糸を引くときは、針ごと引かない。糸だけ持って。(針穴に負担がかからないため。そうすることで針の寿命が延びる)
以上はほんの一部。なんとなくやっている作業も「この方法で良かったんだ!」と自信につながったり、あるいはお悩みが解消したり。独学もよいのですが、時にはWSでベテランさんのテクニックを知るのも技術向上につながると思います。
とは言っても、「私のやり方が正解というわけではないんですよ」と陽子さんは話します。
例えば玉結びで糸止めをするといった間違った方法でない限りは、人それぞれのやり方があってがよく、いろいろな人のやり方を見て習得していってほしいとのこと。
経験者が集まったWSでしたが、陽子さんの手元を見つめる皆さんのまなざしは真剣そのものでした。
WSの会場は、「嶽(だけ)きみ」シーズンには行列ができる小田桐農園さん。高原の風が通ってとても心地よく、コロナ禍の時代でなくとも屋外でのWSはアリだと思いました。
昼食は小田桐農園さんが用意してくださった特製のお弁当。旬の梅シロップはレモン入りでさっぱりとしていて、どちらも大満足でした。
急いで家に帰り、刺し始めました。薔薇模様ということで、赤の糸をチョイス。糸こきをがんばっています。
以上、編集長の鈴木でした。それではまた。
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大泉由美子 (水曜日, 14 7月 2021 19:48)
陽子先生の糸がきっかけで、ファンになりました。
まだまだ参加出来るレベルではありませんが、陽子先生のアドバイスや、講習の様子がわかり、嬉しかったです。勉強になりました。
大泉 由美子 (水曜日, 14 7月 2021 19:49)
陽子先生の糸がきっかけで、ファンになりました。
まだまだ参加出来るレベルではありませんが、陽子先生のアドバイスや、講習の様子がわかり、嬉しかったです。勉強になりました。
編集部・石田 (木曜日, 15 7月 2021 17:38)
コメントありがとうございます。私も現場の空気を味わってきました。ときに和気あいあいと、ときに集中してチクチク、皆さん楽しんでおられました。陽子さんにはぜひまた開催してほしいですね!どこかでお会いできるのを楽しみにしています^ ^
ヤブ (土曜日, 17 7月 2021 15:46)
楽しく読ませていただいております。「そらとぶこぎん」ももう5巻ですね。年1回の発行ですが次号がとても待たれます。佐藤先生のワークショップ遠く離れているものにとっては参加できないのが残念です。編集長様の作品完成したらすぐにブログで紹介してくださいね。
編集部・石田 (金曜日, 08 10月 2021 20:24)
ヤブさま、コメントありがとうございます。創刊から5年、次号をお待ちいただけるのは何よりの励みです。陽子さんのワークショップ、ぜひいつか遠方でも開催される日がくれば、と勝手ながら思ってしまいました。編集長の作品はどこまで進んだかな?私も頑張ろう(汗;).・*